映画『74歳のペリカンはパンを売る。』公式サイト

映画解説

About This Film

創業74年。東京・浅草。
たった2種類のパンのみを作る「パンのペリカン」。

浅草にある老舗パン屋、ペリカン。ペリカンのロゴマークが目印の店先、朝8時の開店前には行列ができる。その光景は毎日変わることがない。たくさんのパン屋が乱立し、多種多様なパンがあふれかえる東京。その中にあって、ペリカンで売っているのは食パンとロールパン、たった2種類のパンのみ。それなのにお客さんが途切れることはなく、売り切れまで賑わいは続く。「まだ、ありますか?」それは、まるで合言葉のようだ。このパンの何が、ここまで人を惹きつけるのだろうか。

すべてのパン好きに贈る、
今までにないえいが焼きあがりました。

一口食べると、ほっとする味。毎日食べても飽きない味。お土産にすると、すごく喜ばれる味。洋食にはもちろん、和食にもあう味。そのままでも美味しい。トーストすると、もっと美味しい。バターやジャムを塗ると美味しさが倍増し、何かを挟めば味わいが大きくかわる。ペリカンのパンのまわりは、いつもしあわせな空気に包まれている。このパンはどうやって作られているのだろうか。『74歳のペリカンはパンを売る。』は「パンのペリカン」のパン作りとその魅力に迫るドキュメンタリーである。ペリカンの大ファン、スタイリストの伊藤まさこさんは語る。
「日本人が作る日本人のためのパン。飽きがこなくて、白いごはんみたい」。

パン作りを通して見えてくる、モノづくりの本質。
「パンのペリカン」はいかにしてブランドとなったのか。

「2種類のパンのみを作る」というパン業界でも異質の存在。町の普通のパン屋として開業したペリカンは、変わりゆく時代に対応しながら、“いまやパン業界の財産”とまで言われる唯一無二の存在となった。その店を切り盛りするのは、四代目店長・渡辺陸さん。現在29歳。創業74年の老舗の伝統と若き店長を今も支えているのは、二代目店主・渡辺多夫さんの存在。菓子パンも作っていた店を2種類のパンのみに変え、ペリカンのブランドを作り上げた張本人である。ペリカンのパン作りの現場に迫ってみると、モノづくりの本質と“売れるパンを作る”という商売の本質が見えてきた…。そして、時代がかわっても、その素朴な味を変えることなく、「パンのペリカン」では毎朝4時から職人たちがパンを焼いている。

出演者

Cast

渡辺 多夫

パンのペリカン 二代目店主

1934年生まれ。食パンとロールパンに絞って販売をする決断をした張本人。四代目店主の陸さんの母方の祖父にあたる。2008年他界、享年73歳。


「現在ではさまざまな材料が手に入り、ある意味では個性的なパンはいくらでもできると思う。しかしお客が買ってくれるものでないと意味がない」

渡辺 陸

パンのペリカン 四代目店長

1987年生まれ。東京製菓学校を卒業後、2009年よりパンのペリカンで働き始め、2015年より、四代目店長。


「ペリカンというお店がいかに魅力的でいいお店かということを、みんなに伝えていくのが僕の仕事なのではないかと思います」

名木 広行

パンのペリカン

1954年生まれ。18歳でペリカンに入社。40年以上、一番長く勤めているパン職人。ペリカンの生き字引的存在。


「ペリカンは、これからも100年200年ずっと続いていって欲しい」

伊藤 まさこ

スタイリスト

1970年横浜生まれ。料理や雑貨など暮らしまわりのスタイリストとして雑誌や書籍などで活動。著書に「おべんと帖100」マガジンハウス、「夕方5時からお酒とごはん」PHPエディターズグループなどがある。著書でペリカンを取り上げるほどの、大のペリカン好きとして有名。


「日本人が作る日本人のためのパン。飽きがこなくて、白いごはんみたいだと思います」

中島 進治

東京製菓学校

東京製菓学校のパン科講師であり、四代目の渡辺陸さんの恩師。


「ペリカンさんはパン業界の財産と言えると思います」

平賀 東洋一

東洋メンテナンス

ペリカンの巨大なオーブンや窯のメンテナンスを、二代目の頃から見続けてきた陰の立役者。


「普通は食パンにしてもバターロールにしても何かをつけたり、何かを挟んだりして食べますが、ペリカンのパンは何もつけなくても美味しいのです」

保住 光男

ドゥ・コンサルティング代表

ベーカリー専門のコンサルティング会社ドゥ・コンサルティングを25年以上経営。


「ペリカンは変わらないということで世の中の先を行っている。それは簡単には追い抜けないものです」

藤森 甚一

珈琲アロマ

1964年創業の浅草を代表する老舗純喫茶「珈琲アロマ」を切り盛りするマスター。


「トーストにこだわって作ったメニュー。ペリカンさんのパンがあってはじめて出せるメニューです」

中村 ノルム

ミュージシャン

カナダ・トロント出身。2011年より、吉田兄弟の兄・良一郎氏に師事。以来、様々なライブやコラボ演奏を行う傍ら、三味線関連のYouTube動画を制作。


「ペリカンのパンは(手で)取るときから、気持ちいい。町のプライドになるパン」

柿崎 哲也

寿四丁目青年会
会長

ペリカンがある寿四丁目の町会行事を取り仕切る青年会の会長。


「渡辺君にはこれから、中心になって町を盛り上げていってもらいたい」

立林忠夫・立林美津恵

立忠製印所

台東区根岸にあるハンコ屋さん。ペリカンのパンを店頭で販売中。


「無くなる時は本当にあっという間に売り切れてしまう。たまに残った時は、私たちで喜んで食べています」

清水 英貴

SPLENDOR COFFEE
店長

ペリカンのほど近くに店を構えるコーヒーショップ。純喫茶ではなくWi-Fi完備のサードウェーブ系。


「ホットドッグ用に都内の様々なパン屋を食べ比べ、ペリカンさんのパンはオーソドックスなのだけれど、甘さがすごく強いパンと感じました」

ペリカンで働くみなさま

協力

スタッフ

Staff

石原 弘之

プロデューサー

1987年愛知県生まれ 株式会社ポルトレ代表取締役。映画というフィールドをいかにして耕すかをテーマに、映画の目印を創出するプロジェクト ORQUEST(オルケスト)を運営中。http://100banch.com/projects/orquest/

内田 俊太郎

監督

1986年7月8日スイス生まれ。監督を務めた「PORTRAIT ポルトレ」(吉村界人・松本まりか主演)で劇場デビュー。(ORQUESTにて配信中)その他、アーティストのPVなどでディレクターを手掛けている。近年は小説執筆も行っており「闇雲」(2016)、「飾らない飾り」(2016)と、コンスタントに作品を発表している。

RAY

撮影協力

1991年2月1日八王子生まれインドネシア育ち。インディーズ、メジャーに関わらずMVのディレクション、カメラマンを中心にフリーランスで活動。

坂井田 俊

撮影協力

2012年初長編作品『僕は人を殺しました』2013年OV『ほんとうに映った!監死カメラ5』現在はジャンルを問わずOV・PV・VPを監督、作品はTV・コンビニ・TSUTAYA・WEB等で公開されている。

木村 文昭

照明

西嶋 裕之

デザイン

柳田 真司

カラーグレーティング

Taro Peter Little

音楽

草野 庸子

スチール

ハイブリッド・サウンドリフォーム

整音

劇場情報

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